タグ別アーカイブ: 風立ちぬ

2017年 11・12月の手紙

月日は駆け足で過ぎて行きます。秋風を「色なき風が吹いてきました」と表現するそうです。
「色なき風」今の季節の空の色、鰯雲、夕暮れの早さ・・・
冷たさを感じさせる風の匂い、何となく心細いような人恋しさ・・・何かいろいろな想いを、そのまま表してくれているようで、素敵な言葉ですね。

日本語は本当に素敵だと、つくづく思います。そして、この四季に恵まれた、この国に生まれたこと、この風土と文化の中で生きられる幸せをつくづく思います。

皆様に支えて頂き、今年も『恋文Ⅴ』を終えることができました。今回は堀辰雄の「風立ちぬ」を歌と語りで綴ってみました。文豪の名作は、なかなか手強く、脚本を何回も書き直し、書き直し(笑)最後に、やっと自分なりには納得のいくものになった時、初めて、この小説を書いた作者の思いへのいろいろな謎も解けていき、歌を創っていくのとは、また、違った意味での深い充実感を感じました。でも、それが、皆様にはたして伝わるか・・・?本当にすごく不安のまま当日を迎えました(笑)スタッフの皆様、ミュージシャンの仲間たちに支えられ、ドキドキ、ハラハラの幕開け!その分、お帰りにロビィーでご挨拶しながらの皆様の温かいお言葉・・・頂いた、たくさんのメール!ひとつ、ひとつが大きな幸せを運んで来てくれました。本当にありがとうございます!『恋文』はまだ、歩き始めたばかりのシリーズ!でも、この中に私自身が生きてきたこと語ってきたこと、歌ってきたこと・・・そのすべての答えがあるような気がしています。また、来年も10月16日(火)に新橋・内幸町ホールで予定しております!

今年もあと2カ月・・・早いですね!三田・綱町三井倶楽部でのクリスマスのご案内です!

友納あけみ クリスマス晩餐会*2017
12月21日(木)会場:綱町三井倶楽部《開場18:00/ディナー19:00/ショー20:30~》
料金:30,000円(税込)
*三井倶楽部特製クリスマスフルコースメニューお飲み物サ-ビス料金含む

今年はマリンバも新たに加わり・・・一層華やかに、幻想的なクリスマスの夜を・・・お届けしたいと思っております!

(ホームページ「今月の手紙」より転載)

秋桜

秋桜の花束が高原の叔母様より届きました。
あっと言う間にお部屋は秋の高原(*^^*)

10月17日の内幸町ホールでの恋文Ⅴは、
あの堀辰雄の「風たちぬ」!を取り上げます。
舞台は軽井沢の高原(*^^*)
ぴったりのプレゼントです(*^^*)幸せ(*^^*)

ただ、一つ、困ったことが、
可愛いてんとう虫さんが、一緒に来てしまいました。

折角、爽やかな高原のお庭にいたのに!
可哀想!そっとベランダに放してあげようかな?
でも、東京の空の下、生きられれかなぁ!(◎_◎;)

困った!(◎_◎;)

恋文

いよいよ10月です❣️
秋風と青空、真っ白な雲❣️
「風立ちぬ」の季節です❣️

リハーサルも終わり、雄太さんの素晴らしいアレンジで
テーマ曲「風が連れ去った恋」も仕上がりました。
切ないバィオリンの調べが、涙を誘います。
改訂版の脚本も仕上がりました。
一部はいつものように楽しくお喋りで綴っていきます!
笑いあり、涙ありの秋の宵❣️

10月17日火曜に新橋・内幸町ホールでお待ちしてます。
開場18時半 開演19時

お陰様でチケットは完売させて頂いてます❣️

軽井沢 堀辰雄文学記念館

10月17日の内幸町ホールでの
友納あけみコンセール♪恋文♪
今年は堀辰雄の名作♪風立ちぬ♪を取り上げます❣️
軽井沢での仕事の合間に
堀辰雄文学記念館に行って来ました。

台風一過の良いお天気❣️
記念館に堀辰雄の書斎、書庫が
そのまま展示されていていました。

庭には、折から、台風の名残の風!
風立ちぬ いざ生きめやも!
あの冒頭の文章、そのまま❣️
堀辰雄の世界に浸ってきました。

これから舞台創りに邁進します❣️
なんかワクワクしてます❣️

2017年 9・10月の手紙

夏が終わろうとしています。夕暮れの風はもう秋の匂いを運んできます。
夏休みも終わりを告げる8月末の10日間くらいの日々を、私たち家族は毎年、妙高高原にある山荘で過ごしていました。

それは、父が亡くなる一年前、私が小学校に入った年に始まり、高校を出るまでの12、3年続きました。思えば、そこは癌で余命僅かだった父との最初で最後の旅の場所でもあったのです。数少ない父との記憶のひとつに何故か高く父の手で抱き上げられているシーンがあり、多分、それは、あの山荘での出来事だったのでは・・・?と思っています。

父が亡くなってからも毎年、この夏の旅は続いていました。私と兄は宿題の山を抱え、快適で涼しく、宿題を終らす時だったのですが、母は、この長い時をひたすらボーッと妙高山を眺めて過ごしていました。幼い私には、父の代わりに忙しく働いていてくれていた母にとって、ただ、日頃の疲れを癒しているだけにしか思えませんでした。

ある時、古い箪笥の奥から父のスケッチブックが出てきました。
その中には、たくさんの山荘からみた妙高山の風景が描かれていました。多分、あの最後の旅の時に描いたものでしょう・・・・仮退院した父には病気のことも余命のことも知らされてなかったので、復帰する前の養生のつもりで好きだったスケッチをしながら時を過ごしていたのだと思います。あの山荘の、あの部屋の、あの窓から見える妙高山!父が逝ってしまった時、母は39歳、その後の10年余りに、母は毎年、毎年、何を思いながら、あの風景をみていたのでしょう。もう、あの頃の母より歳を重ねてしまった今になって、ふと、そんなことを考えています。幼かった私には母は母親でしかなく、その胸に去来する想いなど、はかり知ることはできませんでした・・・・

母が逝ってしまってから、12年が過ぎようとしています。あの山荘は、今はもう壊されてしまいました。随分、訪れていない妙高高原!父と母の写真を持って、一度訪れてたいと思っています。あのスケッチブックを抱えて!

10月17日(火)に友納あけみ*コンセール コムテアトル『恋文Ⅴ』を開きます。
新橋・内幸町ホール*開場18:30*開演19:00

今年の『恋文Ⅴ』は堀辰雄の不朽の名作『風立ちぬ』を歌と語りを絡めながら、綴っていこうと思います。アラン・バリエールの名曲「風が連れ去った恋」をテーマ曲に雄太さんの華麗なピアノ、寺島貴恵さんの咽び泣くヴァイオリンの調べにのせ、切ないほど美しい恋の物語を、お届けします・・・青春の時代に読書なさった方もたくさんいらっしゃると思います。日常の生活を離れ、暫し、あの頃の恋心を重ねて頂ければと願っています。秋も深まっている頃!是非、秋の宵に!お出かけくださいませ!

(ホームページ「今月の手紙」より転載)

2017年8月の手紙

猛暑が梅雨を寄せつけないうちに、夏が始まってしまいました。今年は季節を感じる間も無く、気候が変動していきます。すっかり季節に乗り遅れて、枯れていく紫陽花のような(笑)何か落ち着かない気分です。

カラ梅雨の東京とは打ってかわり九州で大雨・・・濁流に山が崩れ大地が埋まっていきます。田畑を耕し、森や山を慈しんで生きていらした方達にとって、土地が崩れ流されていくことは如何ばかりかと・・・・言葉も見つかりません。

我が町、豊洲にも、さるすべりの花が咲きました。赤白の小さな花がたくさん・・・駅までの道を万国旗のように彩ってくれています。根無し草のようにたまたま住みついた、この街にも愛着が生まれてしまうのに・・・・先祖代々受け継がれ、守り、そこで生まれ、育ち、愛しみ続けた土地が崩れ埋もれていく悲しさは計りしることができません。東北での大震災、九州の地震、水害・・・本当に天変地変が続きます。早く穏やかな日々が皆様に戻られることを、ただ、ただ祈るばかりです。8月には東北・大槌町に行ってきます。月日だけが過ぎて行きます・・・

10月17日(火)に友納あけみ*コンセール コムテアトル『恋文Ⅴ』を開きます。
新橋・内幸町ホール*開場18:30*開演19:00

今年の『恋文Ⅴ』は堀辰雄の不朽の名作『風立ちぬ』を歌と語りを絡めながら、綴っていこうと思います。あの宮崎駿さんが、数年前、この作品をオマージュし縦糸に、そして、零戦の設計者の堀越二郎さんの人生を横糸にして、アニメーション映画を創られました。原作では実話だと言われている、軽井沢のサナトリウムを舞台にした薄倖な女性と作家の儚い恋のお話・・・少女時代に最初に読んだ時は、ただ、美しい物語にしか思えなかったのですが、改めて読んでみると、限られた命の輝きと、それだからこそ、一層深まっていく二人の愛!生きることの意味、本当に人を愛するとは?運命に翻弄される人の哀しさ・・・出会いの不思議さ・・・様々なことが自分自身の人生への想いと重なっていき、たくさんの問いかけが聞こえてきます。後2カ月ほど!ひとつづつ答えを探しながら、大切に創り上げていきたいと思っています。暑い夏も終わり秋風の吹く頃・・・皆様のお出掛けをお待ちしております。

*12月21日(木)綱町三井倶楽部*友納あけみ*クリスマス晩餐会2017

(ホームページ「今月の手紙」より転載)