2016年 11・12月の手紙

秋がやって来ました。急の寒さに一斉に色づきだした街路樹達・・・街中が秋色に染まりました。我が町、豊洲の駅中の小さなスベースに大きな鉢植えのように5本の木が植えられています。直径1メートル程の円形の土が見えるだけ、後はコンクリートに囲まれて・・・でも、そんな環境の中で今年も鮮やかな煉瓦色の紅葉を見せてくれました。見上げればビルの谷間の小さな空しか見えません。数時間しか太陽を浴びることしか許されないコンクリートのジャングルの中で、今年もこんなに鮮やかな紅葉を・・・うーん健気!ありがとう!毎年、感動してしまいます。ふと、よく見ると、何か針がねのようなものがぐるぐるに巻き付かれていました。そういえば、年末になるとクリスマスシーズンにイルミネーションがキラキラしてました。その準備か・・・?!折角、紅葉を迎えた木々に、こんなに巻き付けて、おまけに電球をつけて、大丈夫なのかなあ?何だか可哀想・・・いろいろなものをこんなに玩具にしてしまって良いんだろうか!?イルミネーションは好きだったけど、この頃は余りにたくさんで!エネルギーの問題も、どこ吹く風!何だか、ちょっと複雑な気分・・・?!

世界中を見渡せば、それぞれの利便性や合理性の理屈を楯に、そして欲望のまま・・・傍若無人に人間は生きていて・・・その権化のような人達が世界を動かしていきます。みんな自分達の利益と理屈を振り回して・・・やっぱり、何処か間違っているのかもしれません。どんなに科学が進んでも、あの木、あの枝、あの葉っぱひとつ、人間は創ることもできないのですから!こんなに我が物顔で傲慢になってしまって、良いわけがない気がします。と言うものの、ヌクヌクと快適を貪り、この都会での生活にすっかり甘んじてしまっている我が身を思うと、何も言えない・・・この小さな星・地球は何処に向かっていくのかなあ~?掘り起こされたまま、行方の定まらない、この町、豊洲を眺めつつ、ひっそりと、この秋に、紅葉に、今日1日に深く感謝し、平安を祈るばかりです。

2016年も終わろうとしています。お陰様で今年も6月に23回目のソロコンサートを終えられ、10月には新たに立ち上げた『恋文』が4回目を迎えることができ、締めくくりは、10回目になる三井倶楽部でのクリスマス晩餐会!「歌」と言う恋人が、歳を経るごとに、よりいっそう手強く(笑)益々魅力的になり、惚れ直し続ける日々です(笑)こうして過ごせる時を本当に愛おしく感じております。

これも支えて下さる大勢の皆様、そしてスタッフ、ミュージシャンの仲間達のお支えが頂けてこそ!本当に有難いと感謝の思いで一杯です。

来年も1月5日(木)池之端ライブスペースQuiでの新春ライブに始まり渋谷さくらホールでの6月15日(木)の24回目のソロコンサート、10月17日(火)内幸町ホールでの『恋文Ⅴ』、そして、日々のライブと・・・皆様に快い時をお届け出来るよう・・・精一杯、歌っていく所存です。。この一年も、本当にありがとうございました。そして、どうぞ、これからも、よろしくお願いします。過ぎゆく年が、来る年が、皆様にとりまして、良い年でありますように・・・!

(ホームページ「今月の手紙」より転載)