桜が散ったと思ったら、あっという間に新緑が木々を覆いつくしていきました。陽射しに揺れる若葉は命のエネルギーに溢れています。自然は美しい恵みを与えてくれます。でも自然は時には恐ろしい形相にも変わり、襲い掛かってきます。九州地方で、今も終結しない地震・・・・計り知れない自然の前には人間の力は本当に脆く、人の命も長い歴史を経て、大切に守り続けていた営みも、まるで玩具の模型のように壊されてしまいます。
5年前の東北での震災を通し気づかされました。たくさんの豊かな山々と海に囲まれた、それ故に、また、たくさんの美しい幸にも恵まれた、この島国が、どんなに脆い存在だったかを!すべてが津波に飲み込まれ押し流されていく映像を見たときの体中が感じた恐怖と喪失感・・・それは、私達も植物達と同じようにこの島国の、この大地に根をはることで、立っていられたのだ!と・・・奪われていく姿が皮肉にも、本当に大切にしたいものを教えてくれました。そしてこの国の全てが私のかけがえのない故郷だと初めて、思えました。
たくさんのボランティアが熊本に向かったそうです。誰もが他人事とは思えない、いつ自分達の身におこっても不思議でないことを知っています。崩れた熊本城の姿にそれぞれの故郷を重ね合わせています。せめてもとFacebookで送られてくる情報をシェアしていました。その中のひとつに、熊本の方から、「熊本は負けない!皆さん自粛しないで下さい!元気になって元気なエネルギーと支援を送って下さい!」とありました。そう!私達の祖先達も負けなかった!負けずにこの島国を守って受け継いでくれたんだ・・何か心が熱くなりました。
コンサートを、後1ヶ月程になり、あれこれと追われる日々です。正直、こんな時に音楽を・・・という思いとこんな時こそは!という思いがぐるぐると駆け巡っていました。心して、こんな時こそ良い波動とエネルギーを、元気になって頂ける音楽を届けたい!届けなくては・・・と今は思っています。
6月16日(木)友納あけみコンサート第23章『再会』
渋谷・さくらホール*開場18:30*開演19:00
あっと言う間、コンサートも、あと1ヶ月ほどになりました。今回はどこか懐かしい巴里の街角を撮り続けていらっしゃる写真家の矢野正一さんの映像と共に、皆様の心の思い出を辿って頂ければ・・・と願っています。舞台創りも決まりだし、これから、スタッフと共に、喧々囂々の日々が始まります。ピアノの雄太さんを始めとした素晴らしいミュージシャンの仲間達、ずっと共に、このコンサート活動を創り上げてきたスタッフの方々・・・そして、何よりも23回もの間、私を支えて下さっている皆様達と共に今年もコンサートを迎えられる喜びを大切に抱きしめて、歌わせていただくつもりです。ご来場を心から、お待ち申しあげています。